木村拓哉の「華麗なる一族」にみどころ
木村拓哉の「華麗なる一族」にみどころ
木村拓哉主演の「華麗なる一族」ですが、いよいよ終盤に入り、内容が盛り上がってきましたよね。同じ時期に放送されている、NHKの「ハゲタカ」ですが、こちらも「華麗なる一族」と似たようなテーマのドラマとなっています。
どちらも、企業経営の内面や買収劇を題材としたドラマだけに、サラリーマンの皆さんにとっては非常に興味深くみることができるのではないでしょうか。
個人的には、今期のドラマの中でも、リアルに企業買収の内面をえぐり取り、個性的な俳優人の演技も冴え渡っている「ハゲタカ」が一番面白いと感じているんですが、皆さんはいかがでしょうか?
以下に、夕刊フジに掲載されている、木村拓哉の「華麗なる一族」のみどころに関する記事をご紹介します。
・サラリーマン心華麗に乗っ取る…骨太ドラマの志を学べ
週末の骨太ドラマにサラリーマンが帰ってきた。現代ニッポンの企業買収をテーマに外資との攻防を描く「ハゲタカ」(NHK総合、土曜午後9時など)と、激動の1960年代の金融再編に閨閥も絡んだ山崎豊子原作の「華麗なる一族」(TBS系、日曜午後9時)。時代こそ違え、ビジネスの非情さと苦悩する人間模様がキーワード。クライマックスに向けた見どころは-。
「ハゲタカ」では、柴田恭兵(55)による日本企業を支えるエリート銀行マンと、大森南朋(なお)(35)演じる外資系ファンドマネジャーを軸にさまざまな買収劇が展開する。
柴田の肺がん摘出手術で、放映開始が約5カ月遅れたが、「かえって、サッポロビールや日興コーディアルをめぐる外資の動きがあり、タイムリーなオンエアとなった」(放送関係者)という巡り合わせに。
ベテランの柴田を相手に堂々たる演技を見せる大森は、「状況劇場」出身の父・麿赤児(64)ゆずりか。
作家の麻生千晶氏は、「経済的事件は高貴なドラマにはならない。でも、経済を動かすのは人間。そこを描いているからいい」と前置きした上でこう評価する。
「主人公の大森南朋が演じる鷲津は『日本を買い占めろ』と一見、冷徹だが、人間的な心を持っていた銀行員時代があった。今、その心を封印しているが、人間の本質は変わらない。この二つの心が同居し、葛藤に陥っている部分が描かれているから面白い」
見る側の皮膚感覚も意識している、と麻生氏は考える。
「安いときに利ザヤを稼ごうという企業価値のないITの分不相応で非日本的な金もうけが増えた。入社した会社で地道に働き上げていた日本人が、この40年間で精神性、経済的な面でグチャグチャになった。その心情によく響く」
原作者の真山仁氏は、ドラマの背景をこう理解している。
「少しずつ扉が開かれつつあった企業買収の文化が、この半年で一気に本格化した。それまで社会にあった違和感や嫌悪感ではなく、企業買収や統合が、一気に現実味を帯びるようになってきた。そういう意味で、企業にとってもそこで働く人にとっても、大きな正念場の時代がやってきたのではないでしょうか」
それに比べて、「華麗なる一族」は、ある意味で「古きよき時代」ともいえる。当時、アメリカへの渡航経験があった麻生氏は、「当時、海外へ出掛けることは大変なことだった。だからこそビジネスマンは、“青雲の志”を持ち希望に燃えていた」と振り返る。
ドラマは、主人公の木村拓哉(34)をはじめ、脇役に北大路欣也(64)、武田鉄矢(57)、津川雅彦(67)らそうそうたる顔ぶれがそろった。
「山崎豊子先生の人間を見る目がすごい、と改めて感じる。TBSも『良いドラマを作りたい』と熱意を持ってお願いしたそうだが、それが画面からもにじみ出ている」(麻生氏)
佳境に突入するそれぞれのドラマは息切れせずに視聴者を魅了できるか。
★気になるこれからは?
最終話に向けて、どんな展開になるか。
【ハゲタカ】「4話目以降の一番のテーマは“会社は誰のものか”。3話目までとは違い、経営者側の視点だけではなく、働く人たちの側の視点にもウエートが置かれている。改めて、会社とは何か、何のため、だれのために働くのかという点についても思いをはせてほしい」(原作者の真山仁氏)
【継華麗なる一族】「原作にはなかった北大路欣也と木村拓哉の“父子直接対決”を、裁判という形で描いていきます」(TBSスタッフ)
掲載元:夕刊フジ